『写真は語る』
まさにその一言。実はこの1枚、オールド・トラットフォードの一角なのです。
オールド・トラットフォードと言えばあのマンチェスター・ユナイテッドの本拠地で有名ですが、なぜに緑&黄色なの?と思いますよね?
もともとマンチェスター・ユナイテッドの始まりは、1878年に創設された『ニュートンヒース・ランカシャー・ヨークシャー鉄道FC』というチームで、チームのカラーが緑と黄色だったのです。
実はこのニットマフラーは『アンチ・グレイザー・スカーフ』と呼ばれています。
マンチェスター・ユナイテッドのオーナーと言えばグレイザー家である事は有名です。しかし、グレイザ一家がオーナーになってから余り良い経営基盤ではないようで、多くのサポーターやファン、OBなどから痛烈な批判を浴びています。
そんな中、グレーザー家への反発の証とクラブへの忠誠心を表す意味として、多くのサポーターがこの緑と黄色のアンチ・グレイザー・スカーフを巻き始めました。そこには、古き良き時代に戻ろうというファンのメッセージが込められています。
つまり英国でニットマフラーとは、メッセージや想いが込められている象徴なのです。
ではなぜマフラーがそのような役割を担うようになったのか?
現在、日本でも多くのチームのサポーターがマフラー(タオマフも含め)を掲げ応援している光景が日常的に見受けられます。それらの始まりは、ヨーロッパ(特に英国)のスタジアムでマフラーを振り回していたのが起源だそうです。
もともとフットボール観戦は階級社会の英国では労働者のスポーツでした(ちなみにホワイトカラーの人々はラグビーなどを中心に観戦)。もう既に英国では日本での幕末の頃からリーグ戦が発足しており、長い歴史が刻まれています。その輝かしい歴史に陰を落とす存在が問題視されます。そう、フーリガンの存在です。
現在のプレミアリーグの隆盛からは想像もできない程、1980年代頃の英国リーグは衰退していました。日本では信じられない話なのですが英国のスタジアムでは基本、飲酒が禁止でありバックなどのスタジアムへの持ち込みも禁止なのですが、ちょうどその頃からフーリガンの影響でスタジアム内に物の持ち込みが禁止され始めた様です。
今ほどユニフォームや応援グッズが豊富ではないその昔、そこで多くのファンが手元にあったクラブカラーのマフラーを身につけスタジアムでマフラーをかざしての応援がはじまったそうです。
その応援スタイルが定着し、今では世界中のスタジアムで見慣れた光景になりました。
次回はヨーロッパシーンでのニットマフラーのトレンドについて少し書かせていただきます。
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